内海造船、38型で新規顧客を開拓【海事プレス】

9月3日発行「日刊海事プレス」に内海造船 森弘行社長のインタビュー記事が大きく掲載されています。

「日刊海事プレス」他、書物を当所ロビーにて閲覧できますので、ご自由にご覧ください。

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内海造船、38型で新規顧客を開拓
■手持ち工事3年めど、新船型開発へ

≪P.4 掲載記事転記≫

瀬戸田と因島の両工場でプロダクトミックスを展開する内海造船。昨年来、新規の海外顧客を開拓するなど新造船の受注を重ね、約3年の手持ち工事にめどをつけた。現在、新設計の開発を進めているほか、修繕船事業で既存船へのバラスト水処理装置の搭載工事を積極的に受注していく方針で、需要の低迷に応じてこれまで減産していた操業水準も徐々に引き上げていく。また、人員体制については「地球の人材を重点的に採用・育成していく。外国人研修生は技術伝承が難しいので積極的な拡大は考えていない」。森弘行社長に事業方針について聞いた。

――― 手持ち工事の現状は。

「現在2017年半ば以降の納期の商談を進めている。手持ち工事は3年分をめどにしているが、それに固執せず柔軟に対応していく」

――― 昨年来の受注の中で、新規の顧客も開拓した。

「船主からの用船を通して当社の船を評価して頂き、これまで直接取引がなかった海外オペレーターからも受注できた。特に3万8000重量トン型貨物船は燃費性能のほか、木材の積載能力が高く、荷役時間も短縮できるという評価を頂いている。喫水10m以下の船型としては、燃費性能と積載能力の点で特に強みがある」

――― 今後の受注戦略は。

「主力の38型貨物船をメーンにして、マーケット状況に応じて、自動車船、プロダクト船、フェリー、RORO船でプロダクトミックスを展開していく。市場への投入は先になるが、新設計船の開発もすすめている」

――― 受注を進めていく上で規制への対応も重要になる。

「NOx(窒素酸化物)3次規制については、日立造船のエンジンの実用試験として38型貨物船に脱硝装置(SCR)を搭載した実績があり、対策のめどは大かた付いている。また、騒音規制については、建造船の騒音データなどを基に検証を進めており、対策案をまとめている。主力の38型貨物船では、配置変更などの対応が必要になる見込みだが、居住区を一段積み増すことまでは今のところ考えていない」

――― 操業水準の見通しは。

「昨年と比べると操業水準を引き上げているものの、ピーク時と比べて15%程度落ちている。隻数に換算すると、現在は2工場で年間4隻ずつ計8隻くらいになる。ピーク時の90%程度の水準まで引き上げていきたい。ただ、建設業界をはじめとした人材不足の問題が造船業にも波及しており、操業を一気には戻せない。操業を徐々に戻しつつ、生産性の向上を追求していく」
「船体ブロックの多くを現在も内作しているので、外注比率は1割未満。船価動向や外注コストを踏まえると、定常的に外注に出して操業を上げる考えはない」

――― どのように生産性の向上やコストダウンを図っているのか。

「瀬戸田と因島で異なっていたブロックのサイズを主力の38型貨物船では共通にした。2005~07年に約100億円規模の設備投資を行った。因島には最新の自動溶接ラインを導入しており、因島でブロックを集中的に造って瀬戸田に運ぶなど両工場の一体運営を行うことで、操業の平準化やコストダウン、生産性向上につなげている」
「『ムリ・ムダ・ムラ』をなくす“3M”活動に社員一丸となって取り組んでいる。資材費はなかなか思うほどには下がらないが、ただ、鋼材価格は下がるのではと期待している。世界的に見れば、鉄鉱石や原料炭などの資源価格は、現在ここ数年で最低の水準。国内の鋼材メーカーの価格も原料価格の下落に連動して下がっても不思議ではないと思う」

――― 瀬戸田工場と因島工場の位置付けは。

「基本的な方針としては、大型船を生産設備の大きい因島で、小ぶりの船を瀬戸田で建造する。38型貨物船のほか、プロダクトタンカーや内航のRORO船も因島での建造実績が増えており、両工場の操業に合わせて柔軟に割り振れている。細かい作業が要求されるフェリーは今後も瀬戸田で建造してきているが、昨年受注した7500台積みのような大型船については因島で建造する」
「修繕船事業は瀬戸田で手掛けており、フェリーや海上保安庁船、自動車船、RORO船など内航船が中心。バラスト水処理装置のレトロフィット工事は既に実績があり、今後も積極的に受注していく。工事に際して配管などの事前調査が必要になるので、まずはお付き合いのある取引先から受注活動を始めて、新規顧客も開拓していく」

――― 現在の人員体制は。

「従業員は管理部門を含めて約800人、社外の協力工は約500人。社員のうち設計部門は約100人だが、新設計のフェリーやRORO船の建造があり、設計・現場とも人員体制はややタイトな状況で、人材の確保や育成に引き続き注力する」
「新卒採用はコンスタントに続けている。定着率の高い地元出身の人をできるだけ多く採用したい。外国人研修生については技術伝承が難しいので積極的な拡大は考えていない」
「地域での取り組みとしては、進水式を一般公開している。地元の子どもたちには船のできる感激を一緒に味わってもらいたい。船を造りたいという子供が将来一人でも増えればと思っている」


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