内海造船に新造フェリー2隻発注【海事プレス】

令和元年12月20日発行「日刊海事プレス」に、内海造船についての記事が掲載されています。

《P12・13掲載記事転記》

内海造船に新造フェリー2隻発注
■宮崎カーフェリー、22年就航、スクラバーを搭載

宮崎/神戸間で長距離フェリーを運航する宮崎カーフェリーは、約1万4200総トン型新造フェリー2隻を内海造船に発注した。18日夕方に宮崎県庁で、内海造船との新造船建造契約と、金融機関とのファイナンス契約の締結式を開催した。新造フェリーは、現行船“みやざきエキスプレス”、“こうべエキスプレス”とリプレースする計画で、第一船は2022年5月、第2船は11月にに就航する予定だ。両船ともにSOx規制への対応としてスクラバーを搭載する。
両船は、全長約194m、全幅27.6mで既存船(全長170m、全幅27m)から大型化する。航海速力は23ノット。トラック積載台数は163台(12m換算)となり、従来船と比べて33台増強することで活発なモーダルシフト需要に応える。乗用車積載台数は81台。旅行スタイルの変化に合わせて約50%の客室を個室化した結果、旅客定員は570~578人と従来船と比べて120人近く減る。また災害時多目的船として位置付けており、救援物資の搬入や救護室の設置、給電・清水供給などの設備・機能を搭載し、大規模災害が発生した時に活用する。加えて省エネ対応とし、環境負荷低減や運航コストの削減も狙う。
宮崎カーフェリーは昨年3月、宮崎県と宮崎市、金融機関、地元民間企業など「オール宮崎」で出資し、設立された。旧宮崎カーフェリーなどから宮崎/神戸間の運航業務と運航船の保有業務を承継し、長距離フェリー事業を展開している。一方で現在の運航船“みやざきエキスプレス”(1996年建造)と“こうべ”エキスプレス(1997年建造)は既に建造から20年以上経過していることから、将来に向けた航路の安定化や輸送能力の強化を見据え、会社設立当初から新造船を建造する方針を打ち出していた。しかし自己資金が十分ではなく、全ての資金を自社で調達することが難しかったことから、今回の新造船建造に当たっては金融機関からの協調融資に加え、宮崎県・市からの貸し付けを受けることとなった。
2隻の建造費用は非公表としているが、最大180億円程度と見られる。自治体からの貸し付け額は宮崎県から40億円、宮崎市から5億円。貸し付けに当たり宮崎県議会では、貸付金の確実な返済のため宮崎県が同社に対して徹底した経営指導を行うことなどを盛り込んだ附帯決議も成立している。また金融機関による協調融資には、宮崎銀行、日本政策投資銀行、宮崎太陽銀行、宮崎県信用農業協同組合連合会が参加した。
宮崎カーフェリーの穐永一臣社長は締結式で、「フェリー事業が、宮崎県経済にとって欠かすことのできない交通インフラであることを理解していただき、宮崎県をはじめ宮崎市、金融機関から融資を受けることができた。宮崎県経済の生命線を担っているという社会的使命を自覚し、公的資金支援を頂いていることを肝に命じて、社員一同、一丸となって社業に邁進する」と意気込んだ。また内海造船に対しては、「『安全で安心、安定した船旅ができる』『使い勝手の良い』『県民の皆さまから愛される』『スマートな』フェリーを建造してほしい」と要望した。
新造船建造決定を受けて宮崎県の河野俊嗣知事は19日の会見で、「新船を作ることがゴールではない。利用促進を図りながら安定経営に結び付けていくことが大事だ」と語った。

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