JMU、商船建造を有明・呉・津に集中へ【海事プレス-12/23 】

令和元年12月23日発行「日刊海事プレス」に、ジャパンマリンユナイテッド(JMU)についての記事が掲載されています。

《P10掲載記事転記》

商船建造を有明・呉・津に集中へ
■JMU、生産面の競争力も再構築

関係筋によると、ジャパンマリンユナイテッド(JMU)は国内7工場の運営体制を見直し、一般商船の建造事業を主力の有明事業所、呉事業所、津事業所の3工場に集中することで検討を進めているもようだ。舞鶴事業所は艦船などの修繕事業に集中し、横浜事業所は引き続き艦艇や特殊船に特化する。大型設備を持つ3工場に商船建造のリソースを集中させることで、生産面での競争力を高める。難工事が山を越えたこともあり、統合後に手付かずだった標準化などの統合効果の追求や、工場運営の全体最適化を図る。今治造船との商船分野での提携効果も組み合わせて、技術と生産の両面で海外造船所との競争に立ち向かう体制を改めて整える。

JMUは有明事業所、津事業所、呉事業所、横浜事業所(磯子工場・鶴見工場)、舞鶴事業所、因島工場の7工場の運営体制を見直し、商船建造を主体とする有明・津・呉と、艦船・修繕拠点としての横浜・舞鶴・因島の体制を明確化することを検討している。
有明と津、呉はJMUに統合する前の旧造船3社の主力の商船建造工場だった。有明はVLCCやVLOC(大型鉱石船)、津はケープサイズ・バルカーやタンカー、呉はコンテナ船をそれぞれ得意船種としている。この3工場に、今後は商船建造のリソースを集中し、工場間での工作の標準化なども図ることで、競争力を強化するという構想だ。
横浜、舞鶴、因島は、艦船事業本部の管轄工場でもあり、もともと艦艇や修繕の拠点という位置づけが強い。新たに修繕事業の強化を会社の方針にも掲げており、これら工場での体制を強化する。舞鶴は日本海側唯一の大型造船所として艦艇修繕の重要な役割を担っている。これまでパナマックス・バルカーやプロダクト船など商船建造も行っていたが、設備の点で建造船に制限があることなどから、今後は艦艇や保安庁船をはじめとした修理拠点として運営することを検討している。
横浜の磯子と鶴見の2工場は艦艇や特殊船の建造・修繕を行っており、以前は磯子でハンディマックス・バルカーなど一般商船も建造していたが、今後は艦艇や官公庁船の建造のほかは、砕氷方バルカーやSEP船、フェリーなど特殊船を主体とする方針。さらに、艦艇や特殊船・作業船の修理工事も強化している。修繕専業の因島は付加価値の高い修理工事に力を入れる。
JMUは統合後に受注したLNG船やフェリーなど新規船種で各工場が混乱し、過去5年間はその復旧対応に追われていた。旧会社や工場の間で異なっていた建造標準や設計標準などもそのままになっており、発足直後に注力すべきだった統合効果の追求が後回しになっていた。同様に、7工場の運営体制も、基本的に旧会社の体制をそのまま引き継いでいた。一連の難工事が峠を越えたことや、低船価による厳しい業績が続いていることも背景に、今年から「統合効果」を改めて追求するよう会社の姿を抜本的に見直し始めている。工場の全体最適化もこの一環だ。
国内首位の今治造船との資本業務提携も決めたことで、商船事業の競争力強化がこれからの大きなテーマになる。

jmu_syosen